ピラティスをしているシルエットイラスト

「ピラティス」って何かご存知ですか?
フィットネスジムやスタジオのメニューで、あるいは美容雑誌で取り上げられていたり、
目にする機会がだんだん増えてきました。

それでもよく聞かれます。

「ピラティスって何?」

よく知らないものを始めるのって、ちょっとハードルが高い感じがしますよね。
このページでは「ピラティス」についてご紹介をしていきます。

ピラティスの歴史

さて、いきなり問題です。
「ピラティス」とは、何からとった名前でしょう。

考えている探偵風うさぴこのイラスト
①人の名前

②南米の奥地の山の名前

③楽器の名前

 

 

 

 

 

正解は…………………………………①!人の名前です。

ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティスのイラスト

うさぴこレターvol.2でもご紹介しましたが、
ピラティスとは、創設者であるドイツ人の看護師、ジョセフ・H・ピラティス氏の名前が由来のエクササイズです。
元は「コントロロジー」という別の名前がついていたのですが、
「ピラティス」の名前が浸透していったのは90年代、
比較的最近の(私からみると最近…)ことだそうです。

ピラティス氏は1883年にドイツで生まれ、1967年に84歳で亡くなっています。
元々病弱だった彼は、それを克服していくためにボクシングや武術など、様々なスポーツやエクササイズを実践し、研究を重ね、自らの肉体を変えていきました。

第1次世界大戦中、捕虜として捉えられた彼は、
看護師として従事することになります。
そこで傷ついた兵士のリハビリの目的で、ベッドで寝たままでも行うことができる
エクササイズを考案し、人々に伝えていくようになりました。
これが後のピラティス・メソッドにつながっていきます。

つまりピラティスは、
戦時中、負傷した兵士のリハビリのために作られたエクササイズが原点なのです。

 

戦争が終わった後、アメリカに渡ったピラティス氏はニューヨークでスタジオを開きます。
ダンサーや振付師、体操選手や一般の人々など幅広い層に支持された彼のエクササイズは、
お弟子さんを通じてさらに世界各地へと広がっていきました。
この過程で、ピラティス・メソッドはその地域の特色や指導者の解釈が加味されながら、
様々な団体・流派に受け継がれていったのです。

 

ピラティスはどんなエクササイズ?

マシンや器具を使った種類もありますが、
ここではマットピラティスのお話をしていきます。

四つ這いで片手を天井に上げるピラティスインストラクターの女性

ピラティスには「ピラティスムーブメント」といわれる「動きの型」のようなものがあります。
難易度に応じて「プレピラティス」といわれる準備運動的なものから、
「ファンダメンタル」「クラシカル」と、負荷の高いものまで様々です。

このピラティスムーブメントを、
手回しタイプのオルゴールに置き換えてみましょう。

 

オルゴールを回すうさぴこのイラスト

 

このオルゴールを何も考えずに回してみたとします。
すると突然音が勢いよく出たり、
逆にゆっくりになったり、
音にムラが出てしまうことがあります。

これはなぜでしょうか?

・本体をしっかり押さえていなかった
・回すときの力加減にムラがあった
・オルゴールが音痴

なるほどなるほど。
音痴なオルゴールというと、鉄腕DA●Hという番組で作っていたオルゴールが浮かびます(笑)

そもそもピンと櫛の歯が適切な角度で当たらなければ、
音を鳴らすことはできても、音楽を奏でることはできませんよね。

キーワードは“呼吸”と“体幹(コア)”

からだを何の準備もなくいきなり動かすと、
基盤となる場所がグラグラして余計な力が入ったり、
逆に必要な力が抜けてしまって、効率良く動くことができません。
その結果、ケガや故障につながることがあります。

それを予防するために、そしてしなやかで滑らかな協調された動きを生み出すために
大切なのが“呼吸”と“体幹(コア)”なのです。

 

つまりピラティスは、「音楽を滑らかに奏でる」ように、
呼吸や体幹を協調させて動かしながら、
しなやかでバランスのとれた心身を作り出すことができるエクササイズなのです。

 

普段何気なく行っている呼吸にも、実は人それぞれ癖があります。
肋骨の下がぱかっと抜けたままになっている人、からだの前側だけが膨らむ人。
ピラティスでは腹式呼吸と胸式呼吸、両方を組み合わせた呼吸を行っていくことで、
からだの深部にある筋肉を目覚めさせ、コアにスイッチが入りやすい状態を作っていきます。

繰り返すうちに、日常生活の中でも
「あ、今コアが抜けてる」
と気がつけるようになります。
私の場合、台所で立っている時に気がつくことが多いため、
そんなときには一呼吸入れて整えるようにしています。

まずは理屈でなく、ご自身で呼吸を感じてみてください。

動きの中でアライメントを整える

さて、オルゴールの例えでは、ピンと櫛の歯が適切な角度で当たらなければ、
適切な音が鳴らない、音楽が奏でられないとのべました。

ピンと櫛の関係は、骨と骨のつながりをイメージすることができます。
ただし、オルゴールはそれぞれがそれぞれの場所に固定されていますが、
人のからだは動きのコントロールによって関節の咬み合わせ(アライメント)を整えていくことができるのです。

その結果、骨盤と大腿骨で構成される「股関節」のはまりが良くなって
立位や歩行が安定したり、
胸郭の歪みが改善して肩こりが和らぐ、といった効果を期待することができます。

あぐらで胸椎を回旋する女性インストラクター

 

このとき、呼吸やコアのスイッチが十分であれば、
またムーブメントの負荷がその人のからだに寄り添ったものであれば、
関節や筋肉に余計な負担をかけることはありません。

指導者は、その人にとって何が必要な動きなのかを見極め、プログラムを組む必要があります。
ピラティスの効果をより実感いただくには、
指導者の目が行き届きにくい大人数のグループレッスンよりも、
できるだけ小規模、できればマンツーマンでのレッスンがお勧めです。

心とからだの調和

ピラティスはやっていくうちに、自分の内側への感覚が研ぎ澄まされていきます。
グループレッスンだと、人の動きが気になったりしますが、
他者と自分を比べていても、からだの変化は感じられません。
フォーカスするのはあくまで自分の内側なのです。
(とはいえ外観の変化から内側の変化に気がつくこともあると思います)

例えば、自分のからだのつながり、骨盤の傾き、足の角度、動きやすさ、バランス、
床との接地面の感覚などなど。

尾骨、ASIS、仙骨、肩甲骨といったからだの用語がピラティスでは頻繁に出てきますが、
からだをより細かく知ることで、自分のからだのバランスや動きのコントロールが
しやすくなります。
その動きをやる前と後、始めた頃と数回こなした後のからだが、
どう変化したか、どう感じるか、あなただけの感覚を見つめてみましょう。

また刺激を与えることによって、からだのあちこちにある「固有感覚受容器」というセンサーが働きます。
今のからだの情報を脳に伝えることによって、脳はその情報を元に、
より適切な指令を与えてくれるのです。

週1回でも、月2回でも、まずは続けてみてください。
それによって必ず効果を感じられるようになります。

シングルレッグストレッチをする女性ピラティスインストラクター