歩くことを楽しむ

東大和市の空に泳ぐこいのぼり

東大和市の空に泳ぐこいのぼり

 

こんにちは、杉並区下井草の「整体・ピラティス うさぴこ」の田村です。
みなさん、お休みを満喫できましたか?

私は毎年わりと、のんびりインドア派で1日くらい外出〜というのが定番なのですが、
今回はいつになくアクティブに過ごしました。
まずは第一弾。

ゴールデンウィークの前半に、自宅から東村山までの19kmの道のりを
母と一緒に歩いてきました。

こんな距離を歩いたのは、恐らく学生時代以来です。
私は歩いている途中から足首や股関節に痛みを感じましたが、
この手の距離を何度も経験している母は、帰宅後風呂掃除をして、
また遊びにでかけました。

…今日は母の日も近いことですし、敬意をこめて、
歩くことを心底楽しんでいる母のことを紹介していきます。

母は歩きの達人

母が元気よく歩くイラスト
今も現役でヘルパーをしている彼女は、昔から歩くのが好きで、
公共の交通機関を使う以外はもっぱら歩いています。

どのくらい歩くかというと、毎回ではありませんが、
仕事の帰り道に5〜7km歩いたり、
数ヶ月に1度、朝早くから高尾山にでかけたり、そんな具合です。

そんな母が、歩くことに熱心に取り組むようになったのは、
新宿〜東村山〜青梅までを歩くという「かち歩き大会」に参加するようになってからです。

かち歩き大会という目標

初めての参加は、2010年の秋のこと。

「私これ、申し込んだから」

と、どこかで手に入れたそのチラシを見せてきました。

最初は、「今の自分がどこまで歩けるかを知りたい」と思ったそうです。
それにしても20km超えはなかなかの距離。
まあ相談を受けたところで後押しするに決まっていますが、
この母の行動力には、驚かされました。

新宿から青梅までの価値歩き大会コース

まずは中間地点の東村山ゴールが目標です。
距離にしておよそ23km。

彼女ならきっとできるだろう、と応援しつつも、
私には不安がありました。

 

実はこのチャレンジをする2年前に、母は足の甲を疲労骨折していたのです。
…歩きすぎで。
おまけに外反母趾があり、ハイアーチ(甲が高く土踏まずが深い)で、
お世辞にも形の良い足とはいえません。

そのさらに前には、仕事中に膝を痛めてヒアルロン酸を注射されて
ヒイヒイいっていたこともあります。

要するに、足のトラブルは何度も経験しているのです。

 

それでも、彼女は無事最初の大会を東村山でゴールしました。
疲労困憊でしたが、やりきった満足感で母の顔は輝いていました。

その後、東村山ゴールを3回経験して自信をつけた母は、
青梅ゴールにも挑み、もう何度も達成しています。
(途中で足がつって断念したことも数回あります)

青梅まで43km。
フルマラソン以上の距離ですよ。
もう脱帽するしかありません。

母のフットケア方法

彼女は足のトラブルをいろいろ経験しましたが、
それでも歩きつづけることができるのは、やはり普段から、
足と足下を大事にしているからです。
それは以下の3つ。

 

  • 自分にあった靴を見つけて、かかとが減ったらそれを直し、靴の良い状態を保つ。
  • 足にあったインソールを入れ、ハイアーチで接地面の少ない弱点をカバーし負担を和らげる。
  • かち歩きの前にはフットサロンで足の角質やマメをきれいにする。

 

足の形は簡単には変えられませんが、それでも今はインソールなど、便利な道具がたくさんあります。

そして土台をしっかりと整えた上で、日頃から歩く。
これがやはり重要だと思います。

 

母と一緒に歩いて気がついたこと

私は今回、歩きながら母の歩き方を見ていました。
彼女は歩くのが速いので、常に私は後ろの位置です。
それでも私に合わせて、だいぶ遅いスピードで歩いてくれていました。

母は上半身から前に進んでいくため、足が勝手に前に出る、
という理想的な歩き方をしています。
けれど爪先があまりあがっていないなど気になる点もありました。
とはいえ、本人が元気に快適に歩いているのですから、
彼女の場合、問題ないのです。

母に歩くときに何を意識しているか、と聞くと、
猫背にならないように気をつけている、とのことでした。
姿勢を保つというのも、大事なポイントです。

でもそれより何より私が一番、彼女と一緒に歩いていてすごいなーと思ったのは、
速度でも、歩き方でもなく、
目の前の景色を心底楽しみながら歩いている、ということでした。

鳥の声。
道端の草木、花。
建物の外観。
目印の鉄塔が近づいてくる様子。
ときどき植木から伸びてしまった蔓(つる)をむしったり、
松ぼっくりを拾ったり、
五感をふるに使って楽しんでいるのです。

私は「レストラン●● 2.5km先」という看板を見つけては目標にしていたのですが…

さすが達人だなあ、と思いました。

 

私が歩きながら意識していたこと

一方で、私がこの歩きの中で感じたり、考えていたことは。

「身体を効率的に使う」ということ。
これまで学んだ知識を体現しながら、なるべく楽に、頑張りすぎずに歩くよう心がけました。

整体師になってからわかったのですが、
私の左足の下腿(膝から下)がややねじれています。
また足首も捻挫癖があったため、普段は支障はないものの、
ちょっとしたときにグラグラしたり、力が抜けるような感覚があります。
靭帯が一部、ゆるいのかもしれません。

加えて普段母ほど歩いていないこともあり、そのうち
股関節かどこかが途中からきっと痛くなるだろうなーと思っていました(^^;

だからこそ、頑張りすぎずに長く身体を持たせることに意識を集中させました。

結果ですね、やはり10km過ぎたあたりから足首が痛んだり、
ゴールがちらついてきた17km辺りから股関節が痛んだりしました。
ですが、ここを使おうと思っていた場所がちゃんと使えているという実感があったこと、
そしてちゃんと最後まで、母と一緒に歩けたことが何より嬉しかったのです。

 

母と私の楽しみ方はそれぞれ違いますが、
歩きたいと思った時に、歩きたい距離が歩ける、チャレンジできるというのは
素敵なことだと思いました。

 

歩き過ぎは健康を損なう恐れがある

とはいえ、ここで注意していただきたいことがあります。

歩くことは確かに健康に良いかもしれませんが、
それは歩き方にもよりますし、
歩き方が良かったとしても、やはり歩き過ぎは身体に良いとはいえません。

 

昔は「一万歩歩いて健康になろう!」と声高に言われていましたが、
人それぞれ、身体は違います。

みんなそれぞれ違うのですから、個人の目標に合わせて、楽しんで歩ければいいのです。
うちの母を目指す必要はありません。

私も青梅までの43kmが健康的な距離だとは露ほども思っていませんし、
今後自分でトライするかもわかりません。

 

でも、目標をもって、年に1度や2度、多少の無茶を承知で何かに取り組むのって、
すごく張り合いがあるし、面白いし、ワクワクしますよね。
いくつになっても挑戦ができることって素晴らしいと思います。

たまの無茶やチャレンジにも耐えられる身体でいるために、
定期的に練習すること。
そしてメンテナンスをすること。
何より、楽しむこと。

5月は暑すぎず、寒すぎず、新緑も花もきらきらと輝いていて、
歩くにはもってこいの季節です。
皆さんも、帽子と飲み物をもって、少しずつ歩くことを楽しんでみてはいかがでしょうか。

東大和市空堀川沿いを歩く母の後ろ姿