卵巣の話
こんにちは、うさぴこです。
4月から「整体・ピラティスうさぴこ」の姉妹サイト、生理の相談室「つきのわ」を始めました。
このサイトは、東洋医学を使って生理の不快な症状や病を引き起こす「今の体質」を知り、
その人の体に応じた対策を立てることで、症状の緩和と婦人科系の病と縁を切ることを目的としています。
これまでにも当サイトで主に「子宮」の病気について発信してきましたが、今回は「卵巣」についてお話です。
知っているようで、意外と知らない自分の体の内側のこと。
あなたの毎月の生理に欠かせない卵巣のことを、この機会にぜひ知ってください。
卵巣ってどんな臓器?
○大きさ
卵巣は子宮の左右に1つずつある臓器です。
3cm×1.5cmほどの楕円形をしていて、子宮が「鶏卵」サイズであるのに対し、卵巣は「うずらの卵」くらいの大きさをしています。
○周囲とのつながり
卵巣は子宮や骨盤と、いくつかの靭帯によってつながり支えられています。
・内側…固有卵巣索
・外側…卵巣提索
これらのヒモ状の結合組織により卵巣はぶら下がった状態にあるのですが、それはつまり、「可動性がある」ということです。
卵巣に腫瘍ができたときに懸念される「茎捻転」は、子宮と卵巣をつなぐ靭帯や血管がねじれることによって起こります。
そもそも卵巣の働きとは?
卵巣は、初経から閉経までの約35〜40年間、期間限定で働くめずらしい臓器です。
・卵子の育成、成熟、排卵を行う生殖器官の役割
・女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を分泌する内分泌器官の役割
を担っています。
○卵子と卵胞の違い
みなさんがよく知る「卵子」は、男性側から運ばれてくる「精子」と出会う前の姿です。
けれどこの状態になるためには時間と準備が必要だということをご存知でしょうか。
・原始卵胞
卵巣の中には、卵子のもととなる「原始卵胞」がたくさんあります。
生まれたときには約200万個もあるのですが、それが思春期になると20〜30万個になり、閉経時には1000個まで減っていくといわれています。
精子は毎日作り出されるものですが、卵子は「在庫」であり、減るものなのです。
・卵胞
卵胞は卵子を育てる袋です。
排卵の約3ヶ月前から約10個の原始卵胞が育ち始めます。(約0.03mm)
↓
そのうちの1つが成熟して成熟卵胞となり(0.1~0.2mm)になり、破裂して中から卵子を外に出すことを「排卵」といいます。
この排卵は左右の卵巣から交互に行われます。
・卵子のゆくえ
卵胞から飛び出した卵子は子宮の「卵管采」にキャッチされ、卵管膨大部へと移動し精子を待ちます。
無事精子と出会うことができれば「受精」し、細胞分裂をしながら卵管を転がって子宮内膜まで移動します。
これが「着床」です。(受精後だいたい5〜7日後)
ホルモンの働き
卵巣は2種類のホルモンを分泌します。
それが「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン」です。
エストロゲン (女性らしさのためのホルモン) |
プロゲステロン (妊娠を継続させるためのホルモン) |
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ただし、これだけでは生理は起こりません。
脳の下垂体前葉から出るもう2種類のホルモンとの作用によって、月経周期を作り出します。
ここではその2つのホルモンについての説明は割愛しますが、要は「脳との連携も大事」ということだけ覚えておいてください。
卵巣の病気
卵巣のどこから発生するかで大きく3つに分けられます。
①卵巣の表面を覆う上皮・間質から発生する腫瘍(もっとも多く50%)
②性索間質性腫瘍(8%)
③胚細胞腫瘍(卵胞内の生殖細胞から発生する。30〜40%)
さらに病理学的にそれぞれが、良性、悪性、境界悪性に分類されます。
これらの細かい説明については専門家におまかせするとして、ここでは多くの女性が聞いたことのある「卵巣のう腫」について触れていきます。
卵巣のう腫
液体の入った袋状の腫瘍で、この中身はいくつか種類があります。
・漿液性(しょうえき)のう胞…さらっとした液体が入っている
・ムチン性のう胞…ネチョっとした粘液が入っている
・皮様のう腫…脂肪、毛髪、歯などが含まれる奇形腫
・チョコレートのう胞…血液が入っている。内膜症と関連
・その他
卵巣のう腫はほとんどが良性といわれていますが、怖いのは「茎捻転」と「破裂」です。
いずれも激痛を伴い、壊死や不妊などのリスクを伴うため手術を必要とします。
その目安は6〜7cmくらいで、7cmを超えると危険といわれています。
卵巣は子宮と違い、完全に腹腔内に存在する臓器であるため、手術の前に組織の一部を採取して病理検査をすることができません。
そのため、術前診断はエコーやMRI等の画像検査を参考にして行うしかないというのが現状です。
治療は手術が基本ですが、もし、4cmサイズほどでまだ手術に踏み切るにはためらいがある…という場合には、早急に生活習慣や食事の見直しをはかることをおすすめします。
東洋医学が役立つ理由
西洋医学は問題の場所を特定したり、病気の原因となるウイルスや病原菌を攻撃する薬を用いたり、手術などによって直接患部を治療して回復させることができるという強みがあります。
一方で、病名のつかない症状や不調にも対応しやすいのが東洋医学です。
体に本来備わっている自然治癒力を高めることによって、病気を治癒へと導きます。
ここでわたしがお伝えしたいのは3つ。
①それまでなかったものができる過程には理由がある
②「経過観察」は何もしなければ「放置」と同じ
③生活習慣を見直すことで、細胞の元気を取り戻すことができる
ということです。
血液にしても、液体にしても、本来は体に吸収されたり外に排出されるはずの営みができなくなっているのはなぜなのでしょうか。
まずは自分の体質を知ること。
そしてその体質を作り出している、生活習慣を見直すこと。
それができれば、経過観察も「放置」にはなりません。
病気をあきらめない、放置しない、再発させないために、ぜひうさぴこの「1コイン生理体質診断」をご利用ください。