子宮内膜症の話(1)
こんにちは。
東京都杉並区の女性の悩みに寄り添うサロン、整体・ピラティスうさぴこです。
前回は女性特有の病気の1つ、「子宮筋腫」についてのお話をしました。
今回は第2弾として「子宮内膜症」のお話を2回に分けてお届けします。
子宮内膜症ってなあに?
子宮内膜症とは
そもそも「子宮内膜」ということばは①場所を示している場合と、②組織そのものを指し示している場合とがあって、その辺がわかりにくいんですよね。
まず場所ですが、イラストの濃いピンク色の部分が「子宮内膜」です。
子宮の内側の壁の、一番表面にあたります。
この子宮内膜は本来、受精卵が着床するために必要なクッションが用意される場所なのです。
その月の生理が終わるとすぐに次の受精・妊娠に備えて厚みを増していきますが、排卵後14日(±2日)が経過すると、古くなった子宮内膜は自然にはがれ落ち、膣の外へと排出され、その営みを繰り返していきます。
これが生理です。
この子宮内膜が、本来あるべき場所で適切に厚みを増やす分には問題はありません。
問題なのは子宮の内膜以外の場所にこの組織が発生して育ってしまうことにあるのです。
これを子宮内膜症といいます。
子宮内膜症は、子宮を取り巻く他の臓器との間、例えば直腸や膀胱との隙間や、子宮を支える靭帯、卵巣にできたり、まれに肺や腸にもできるといわれています。
これらは女性ホルモンの影響を受けて生理周期に合わせて増殖しますが、排出されずにその場に留まり続けてしまうため、他の組織と癒着しやすくなります。
その結果、
- 性交痛や排便痛などの痛みが起こりやすくなる
- 不妊になりやすい
- 発がんのリスクが高い
といったことが大きな問題として挙げられます。
不妊に関していえば、内膜症のある人の30〜50%が不妊症であり、不妊症の30〜40%が子宮内膜症であるといわれているんですよ…
うーん、将来子どもを望んでいてもいなくても、こんな病気にわずらわされたくはないですね(−−;
子宮内膜症の症状
子宮内膜症は生理のある女性の約10%にあるといわれていて、できる場所によって名前が異なります。
ここではその代表的な仲間について紹介していきます。
●子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
子宮を形作る筋肉の中に子宮内膜ができます。
子宮筋腫と異なり、正常な組織との境界がはっきりしていません。
<症状>
- 強い生理痛を引き起こす
- 経血量が多い
- 生理の時以外の下腹痛、腰痛や出血の原因にもなる
- 女性の生活の質(QOL)を著しく低下させる
QOLを下げるということは、言い換えれば日常生活に支障が出るということです。
痛みはいつどんなタイミングで起こるかわかりませんし、鎮痛剤にも頼らざるを得ません。
またそれに伴う不安感も大きなストレスとなります。
●チョコレートのう胞(のう腫)
卵巣にできた内膜症です。
生理のたびに古い血液がたまってしみ出してしまいます。
<症状>
- 7〜8cmを超えると卵巣がねじれる危険がある
- 4cmを超えると何かしらの対策が必要
- 生理痛、慢性的な骨盤痛、性交痛などの原因となる
- チョコレートのう胞になると0.72%の確率で卵巣がんになるといわれている
卵巣に血液が溜まりそれがしみ出してしまうと、しみ出たものがのりのように固まるため、他の組織と癒着をしたり、機能を落とすことで不妊のリスクを上げてしまいます。
※卵巣腫瘍というと真っ先にこの「チョコレートのう胞(のう腫)」が浮かぶ方もいると思いますが、卵巣内に何ができるかによって病気の名前も対策も変わってきます。
液体なのか、脂のようなものなのか、血液なのか、固い腫瘍なのか。
きちんと自分の病名を把握し、それが何なのかしっかりと医師から説明を聞きましょう。
このように、身体的・心理的にも負担の大きい子宮内膜症ですが、病気を疑って受診をしても、「最終的には開いてみないとわからない」といわれて途方にくれたことがある、という方もいらっしゃることでしょう。
次回は内膜症を防ぐために気をつけたいこと、そして東洋医学の目線で生活をどのようにととのえるとよいのかお話したいと思います。