2020年5月<肺のバリアーと呼吸のお話>
こんにちは。
東京都杉並区の女性の悩みに寄り添うサロン、整体・ピラティスうさぴこです。
新型コロナウイルスによる感染拡大防止のために、緊急事態宣言が出るなど、誰も予想だにしなかった4月を迎えていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
サロンでは、1階の住人である義父が体調不良だったこともあり、大事をとって4月いっぱい営業を見合わせることにしました。
といっても義父はすでに回復していますし、わたし自身もピンピンしております。
今のところサロンは5月以降に再開する予定でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のレターの表のイラスト、「なんじゃこりゃ」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
こちら、「アマビエ」と呼ばれる半人半魚の妖怪です。
Wikiによると、
光輝く姿で海中から現れ、豊作や疫病などの予言をすると伝えられている。
のだとか。
江戸時代後期の肥後国(現在の熊本)の海中から現れ、
「当年より6ヶ年の間は諸国で豊作が続くが疫病も流行する。私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ。」と予言めいたことを告げ、海の中へと帰って行った。
…という伝説が残されているそうです。
ゲゲゲの鬼太郎にも昔出てきたことがあるとか…さすが水木しげる先生ですね!
このアマビエさん、新型コロナウイルスの流行を受けて「疫病退散にご利益のあるアマビエの力を借りよう」ということで密かに話題になっていて、私も今回、イラストにしてみました。
妖怪らしからぬ派手さですが、こんなのが妙正寺川から出てきたら面白いですねえ。
(淡水はお好きじゃないのかしら…)
さて、前置きが長くなりましたが今回のレターのテーマは「肺」です。
新型コロナウイルスが引き起こす「呼吸器疾患」に絡めてこの内容を選びました。
知っているようで知らない、肺の仕組みと呼吸の役目。
皆さんの体の中にあるこの素晴らしい機能をぜひ知って、「肺を助ける生活」を送っていただきたいと思います。
(1)すごいぞ!肺のバリアー機能
私たちが普段当たり前のようにしている呼吸。
吸った空気が肺に運ばれて、「酸素」と「二酸化炭素」のガス交換が行わることは理科で習ったと思いますが、ガス交換が行われる「肺胞」に空気が至るまでには様々な門番がいることをご存知でしょうか。
ここでは肺の3つの門番とそれぞれの役目について紹介しています。
ワタシ的には、門番③の気管支が肺胞に至るまでに23回も分岐しているっていうのがすごいと思ったんですよね。
だってそんな迷路のような構造を突破して、奥にまで吸気が届くなんてすごいと思いません?
人体って知れば知るほどワクワクします。
ところがこれだけの門番がいても、体が弱っていたり、侵入者の力が一枚上手(うわて)だったりすると、奥の方まで細菌やウイルスが入り込んでしまうことがあります。これが肺炎です。
誤嚥性を除き、肺炎の多くは細菌やウイルスの感染が原因といわれています。
通常のカゼが鼻から咽頭までの上気道の炎症で済むのに対し、肺炎は、それよりもっと奥の下気道や肺胞に炎症が起こります。
24時間フル稼働をしている臓器が、休むことなくその機能を十分に発揮するには、私たちがいかに体に優しい生活を送るかが肝になるわけです。
心と体のために、自分にとっての「ホワイト企業」になりましょう!
(2)呼吸の役目と私たちにできること
以前のレターで「氣」のお話をしたことがあります。
氣は体を元気に動かすエネルギーであり、健全な思考の源になるもの。
この氣が満ちて巡っていることが、「私らしく元気でいる」ためにとっても大切です。
氣を作るためには「食事」と「呼吸」が必要ですが、ここでは呼吸について、東洋医学の解釈を加えてお伝えしています。
<吸う>
・天の清気(酸素)を取り入れる
これは大気からのエネルギーをもらって自らの氣を作ることにつながります。
・肺が情報を取り入れ、分析して仕分けする
肺の門番の話で触れたように、肺は空気を取り込むときに、要・不要なものを選んで仕分けをし、肺胞まで届けます。
この性質から、肺は情報を取り入れ、分析して仕分けをする力があると考えることができるのです。
これを身の回りのことに置き換えてみるとどうでしょうか?
汚染された空気の中での呼吸は肺を傷つけ疲弊させますが、それを少しでもきれいにすることができれば、肺にとっては嬉しいに違いありません。
身の回りのものを整理整頓することは、自ずと呼吸を楽にしてくれるのではないでしょうか。
<吐く>
・体内の濁気(二酸化炭素)を外に排出する
使われた氣を体の外に出すのは、それが不要なものであるからです。
体にとって不要なもの、それは尿や便などの目に見える物質だけではありません。
自分の中に溜め込んだ「気持ち」「感情」にも目をむけてみましょう。
言葉にしてない想いがありませんか?
辛い、苦しい、悲しい、怒り、そういった感情にフタをして閉じ込め、気づかないふりをしてしまうと、それも体の中に澱(おり)のように蓄積していきます。
溜め込んだものを言葉という形にして吐き出し、人に伝えること。
これもまた、あなたの呼吸を変えてくれるに違いありません。
そして健全な呼吸を続けていくと、私たちの体は心地よい「氣」で満たされ、体中を巡ると同時に私たちの体の外をバリアーで覆ってくれます。
このバリアーは外出自粛で息苦しい日々を過ごす皆さんには一層、大切なものです。
家族といえどずっと一緒にいれば、境界が曖昧になりイライラすることもきっとあるはず。
そしてたまの外出でも、人との距離に危機感を感じることもあるでしょう。
そんなときにはぜひ、自分の呼吸に意識を傾けてみてくださいね。
(3)呼吸力をきたえよう!
呼吸のトレーニングというと、「吐く」時間を測ったことはあっても、「吸う」時間を測ったことってあまりないのではないのでしょうか?
ここで紹介しているのは、おのころ心平先生がブログの中で紹介していたものです。
自分の呼吸の深さを知るために、「吐く」ではなく「吸う」時間を測ります。
私は最初、何も考えずに挑戦したら、たったの18秒しか持ちませんでした…!
でも、胸郭を動かしたり姿勢に意識を向けたりしながら毎日これを続けるうちに、だんだんと記録が伸びてきて、今では40秒ちょっと吸えるようになりました。
大事なのは、自分なりの工夫をすることです。
どこをどうすれば呼吸がしやすくなるか。考えて実践を続ければ、呼吸は自ずと変わってきます。
ちなみに胸郭についてはこちらでも触れています⇓
でね、面白いことに吸うのが上手になってくると、吐くのも上手になってくるんですよ。
吹奏楽や声楽、バンド活動などをしている方にもきっと役に立つのではないかな〜
ぜひぜひ!挑戦してみて、自分の「肺」や「呼吸」を鍛えて、労ってあげてくださいね。
ではでは長くなりましたが、今月のレターでございまーす!
今回の騒動が落ち着くまでに、恐らくかなりの時間を要することになるでしょう。
見通しが立たないことに人は不安を感じます。
ただ、一日一日のリズムに上手に乗っていけば、1週間、1ヶ月、半年と大きな波も乗り越えることができるはずです。
一人ひとりが今できることをやりながら、焦らず一緒にがんばっていきましょうね。