2020年6月<免疫力のお話>
こんにちは。
東京都杉並区の女性の悩みに寄り添うサロン、整体・ピラティスうさぴこです。
4月から始まった「緊急事態宣言」が、ようやく解除されましたね。
街中も電車も少しずつ人が増えて活気を取り戻しつつありますが、まだ当分マスクは手放せなさそうです。
地に足をつけて、少しずつ日常を取り戻していきたいと思います。
さてさて今回のうさぴこレターのテーマは、ここ数ヶ月皆さんがよく見聞きしたであろう「免疫力」です。
免疫力が高いと病気になりにくい!
病気になっても軽くすむ!
というイメージがある方も多いと思いますが、実際のところ「免疫力」って何なのでしょうね?
体の中で起こっている免疫の仕組みをかるーくのぞいてみましょう。
その前に、今月の営業日のご案内なのですが…訂正があります。。
実は、土曜日を営業してるよ!と黄色で囲んでありますが、わたし土曜日はWワークで別のお仕事をしておりますので…土曜日はお休みでございます。申し訳ありません。
この場を借りて訂正させていただきます。
(1)外敵と戦う免疫細胞
さて、気を取り直していきましょう!
わたしたちの体の中に流れる血液。
この55%は血漿(けっしょう)といわれる液体成分です。
そして残りの45%は細胞成分でできていて、それらは3種類の血球に分けられます。
・酸素を運ぶ赤血球
・外敵を攻撃する白血球
・出血を止める血小板
これらが全身を循環してさまざまな荷物や情報を運搬してくれることで、生命を維持することができています。
この中で今回注目したいのが、「外敵を攻撃する白血球」です。
白血球は免疫細胞とも呼ばれていて、たくさんの種類があります。
例えば…
・T細胞
まずはこちらのヘルパーT細胞。
免疫システムの司令官、ともいわれています。
イラストでは「敵を発見!」といっていますが、どちらかというと「敵を撃てー!」と命令している感じです。
他の免疫細胞から受け取った情報を元に攻撃の戦略を立てていきます。
そしてゴルゴみたいな眉毛をしたのがキラーT細胞で、そのまんま「殺し屋」さんです。
受け取った情報を元に、ウイルスに感染した細胞やがん細胞などをやっつける役目を果たしてくれます。
そしてこの、何だかのんきな感じの細胞が、制御性T細胞です。
この子は「まーまー落ち着いて」なんて他の細胞に声をかけていますが、レターの後半に出てきてその大事な役割を教えてくれます。
・樹状細胞
ウイルスなどの異物を取り込み、その情報を他の免疫細胞に伝える役目を担っているのがこの樹状細胞です。
指名手配犯の特徴をわかりやすく伝えてくれます。
・顆粒球
好中球、好酸球、好塩基球の3種類がいます。
イラストではみんな喧嘩っ早そうな感じでひとまとめで描いてしまいましたが、詳しくみると好中球は敵を攻撃しつつ食べちゃったり、好塩基球はアレルギーを起こしたり、好酸球はアレルギーを抑えるなど、それぞれ違った役割を果たしています。
・B細胞
異物を排除するために作られる「免疫グロブリン」というタンパク質のことを「抗体」といいます。
この抗体を作り出すのがB細胞で、敵に見合った武器を作る細胞、みたいなイメージです。
作れる武器は細胞によって異なるため、自分の出番がきたときにだけ活性化して武器(抗体)を作ります。
・マクロファージ
アメーバ状の細胞で、死んだ細胞や異物を発見すると食べて消化をしてくれるお掃除屋さんです。
そして異物の存在を他の細胞に知らせる役目もしてくれます。
・NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
体の中をパトロールしつつ、敵を発見すると司令を待たずに単独で攻撃をすることができる細胞です。
(しまった、こっちの方をゴルゴっぽいキャラにすればよかった…)
とまあこんな具合に、白血球といえどもいろいろな細胞が存在して、体の中の治安を維持してくれています。
そのバラエティの豊かさはまるで、サッカーや野球などのスポーツチームみたいですね。
どんなに強くてもエースだけではチームは成り立ちません。
でももし、そのバランスが崩れてしまったら…一体どうなるのでしょうか?
(2)免疫細胞が暴走するとどうなる?
わたしたちの体の中で、細胞たちは「サイトカイン」をはじめとする様々な情報伝達物質を出して情報のやりとりをしています。
このサイトカインは免疫細胞を活性化する働きもあり、何らかの理由でそれが増えすぎてしまうと、思いもかけないようなことが起こることがあります。
それは、「アレルギー」とか、「自己免疫疾患」といった病気です。
例えば花粉症は、本来ならば無害なはずの花粉を攻撃することによって起こる症状です。
そして自己免疫疾患。
多くは「原因が不明の病気」とされていますが、自分自身の一部を敵と勘違いして免疫細胞が攻撃をしてしまう病気です。
バセドウ病、クローン病、関節リウマチ、1型糖尿病、多発性硬化症…などの疾患が一例として挙げられます。
つまり、免疫はやみくもに高ければいい、というわけではなく、ターゲットを見定めて適切に攻撃する力こそが実はとても大切なのだといえるのです。
(3)お腹の住人「腸内フローラ」
では、どうしたら免疫細胞の暴走を防ぐことができるのでしょうか。
そのカギとなるのがわたしたちのお腹の住人、「腸内細菌」です。
『腸内フローラ』というのは、小腸から大腸にかけて生息する腸内細菌全体を示しています。
顕微鏡で腸内細菌をのぞくと、お花畑のように見えることから、そのように呼ばれるようになったのだとか。
その中には善玉菌も悪玉菌も日和見菌もいて、その割合は2:1:7が理想的といわれています。
この腸内には実は、細菌たちの他に全身の免疫細胞の7割が集まっています。
それは、外から食べ物が入るルートというのは外敵の侵入経路になりやすいルートなので、常に見張りが必要なためです。
免疫細胞についてはすでに大雑把にその種類を紹介しましたが、ここで注目したいのがこの子。
「制御性T細胞」です。
この細胞は、攻撃がメインと思われがちな免疫細胞の中でも特殊な作用があり、それが興奮を抑える、落ち着かせるといういわば「なだめ役」を担っています。
つまり免疫の暴走を制御する役割があるんですね。
免疫細胞は数のバランスが大事、と伝えましたが、暴走しがちなときにはぜひともこの制御性T細胞が増えてほしいと思いませんか?
レターではこの細胞を増やすためのヒントを載せていますが、結局のところ大事なのは
「腸内細菌のエサは、わたしたちが食べたもの」
だということです。
特定の食材ばかりをとって特定の細菌を増やすのではなく、チーム全体の力を上げることこそが、免疫の適切な反応と働きを強化することにつながります。
(4)自粛解除後も地に足をつけた生活を送ろう
さて、冒頭の話に戻りますが、緊急事態宣言が解除されて、徐々に生活が戻りつつあります。
とはいえわたしたちの生活の中に、菌やウイルスがいるということは変わりがなく、これまでと全く同じ生活を続けるというのは難しいのが現状です。
そんな中でもわたしたちができることはなにか。結局いつもの繰り返しになりますが、
・バランスの良い食事(特に和食がおすすめ)
・個人の生活に見合った運動と睡眠
そしてこれからの季節は特に、「汗を上手にかく」ことも熱中症予防のために大事なポイントになってきます。
外気に当たって季節の変化を感じながら、体の内側からととのえる生活を心がけましょう。
↑暑熱順化のお話です
↑マクロビの食事の陰陽のお話です
↑体を潤す血のお話です
こうした小さなことの積み重ねが、やみくもに自分の細胞を攻撃したり、正義を振りかざして他者を攻撃したりする暴走を防ぎ、自分にも人にもやさしい生活を送ることにつながるはずです。
情報に振り回されず、地に足をつけて生活を送りましょう。
では、今月のうさぴこレターをご覧ください。