天気痛ってなあに(3)
台風がぽこぽこ発生していますね…
子どもの頃、「台風が上陸する」というのは、台風が巨大な竜巻や旋風(つむじかぜ)のように姿を現して、文字通り地面に着陸することだと思っていました。
上陸、というたびに「台風の足、見えないかなあ」と思ったものです(^^;
では今回も再び天気痛のお話です。
前回のお話
前回は温度や湿度を感じる仕組みについて触れました。
ざっくりいうと、
・温度を感じるTRPチャネルというセンサーは、身体のあちこちにある
・そのセンサーが、何らかの要因で量が増えたり、活性化したりすると、暑さや寒さに敏感になる
とまあこんな感じでした。
詳しくはこちらをごらんください↓
気圧は身体のどこで感じているの?
さて今回は気圧のお話です。
気圧の変化を感じる器官として、「内耳(ないじ)」が関係しているといわれています。
内耳
イラストのように、耳は外側から外耳、中耳、内耳と分かれています。
内耳は耳の一番奥にある器官で、私達の頭蓋骨の中にあるのです。
この内耳は、蝸牛、半規管、前庭で構成されています。
蝸牛
イラストではぐるぐる巻きのところが蝸牛です。
形が似ているためか、子どもの頃に読んだ図鑑には「かたつむり管」と書いてありました。
この蝸牛は聴覚に関係しています。
外耳、中耳を経由して伝わってきた音の情報を分析し、電気信号に変えて聴神経を通って脳に伝えます。
(ここではメインの内容ではないため、脳への連絡はイラストで示していません)
半規管と前庭
半規管は3つのイヤリングのようなところです。
そして黄緑色で描かれた「前庭神経」の根本のあたりが前庭にあたります。
半規管と前庭は、平衡感覚に関係していて、身体のバランスをとる役目があり、前庭神経を通して、身体の傾きの情報を脳に伝えます。
この内耳には、前回出てきたTRPチャネルという温度を感じるセンサーも分布しています。
TRPチャネルは温度のセンサーではありますが、機械的な刺激や化学的な刺激など
多種類の刺激に反応するため、気圧の変化も感じているのかもしれない、といわれています。
それから、内耳には含まれませんが、
前庭神経
こちらも、気圧の変化を伝えているといわれています。
「回転刺激」に反応し、身体の傾きや回転していることを脳に伝える神経です。
蝸牛神経と合わせると「聴神経」ともいわれます。
気圧の変化の伝わり方
天気痛のある人はなんらかの理由によって内耳が敏感です。
他の人が感じないような小さな気圧の変化を感じると、その変化をまず、内耳のセンサーが受け取ります。
①気圧の変化 → 内耳が情報をキャッチ
すると、前庭神経を通って脳に情報が伝えられます。
②気圧の変化 → 内耳 → 前庭神経 → 脳
その結果、脳から出された司令によって、自律神経のストレス反応が起こり、交感神経が興奮します。
③気圧の変化 → 内耳 → 前庭神経 → 脳 → 自律神経のストレス反応
ここからは反応が2つに分かれて、最終的に慢性痛の悪化へとつながっていくのです。
自律神経については以前、こちらの記事でも触れたのですが、痛みとの関連は書いてありませんので、次回はそのことに触れていきたいと思います。
そしてとうとう、貸出期間に勉強しきれなくて、佐藤純先生の本を買っちゃいました。
天気痛を調べたおかげで、身体と大気のつながりを、頭と心で感じられるようになりました。
おすすめの一冊です。